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いわゆる「入院・療養調整中」と言われるコロナ感染者が急増し、1月17日時点で7727人にのぼっています。とりわけ、入院すべきなのに入院先がないという状況は深刻で、現に自宅待機の軽症者が死亡した事案も出ています。
コロナ対応のための医療提供体制を改善し、入院待機状態を解消する必要があります。できるところから解決するスピード感も大切ですし、より根本的な改善も必要でしょう。
ここを改善すれば、1人でも多くの感染者に対応できるようになるのではないか。
今日はコロナ入院対応補助金について、気づきを2点noteします。
損失補填にも、電動ベッドやモニターにも、コロナ補助金を使えるように!
コロナ対応の医療従事者は、患者さんと接するとき、防護服を着てN95マスクをつける必要があります。想像以上に体力的にも精神的にも大変な負担なので、遠隔でできることは遠隔で、機械に任せられることは機械にやってもらい、少しでも負担を軽減する必要があります。とすると、遠隔で患者さんの病状を観察するための「モニター」、患者さん自身でベッドを起こしたり寝かしたりできる「電動ベッド」などは、コロナ対応に不可欠です。
にもかかわらず、こうしたモニターや電動ベッドにコロナ対応補助金を使えない、あるいは使えるかどうかはっきりしない、という事態が生じています。
「電動ベッド」については使えないと回答されて困っているという例も聞いていますし、実際今日厚労省に尋ねたところ「モニターは使えると思うが、電動ベッドは持ち帰らせて欲しい」という回答でした。
補助金の使い道は、現場の医療従事者のニーズに沿って柔軟に使えるようにすべきです。
もちろん、コロナ対応に限らず「コロナ対応によって一般診療が減少することによる損失補填」にも使えるようにすべきです。さらに、「電動ベッド」は他の病気にも使えるからコロナ補助金を使っちゃダメなどと言っている場合ではないはずです。
この使い道の柔軟化によって、今必死にコロナ対応している病院を支援することができる。今はコロナ対応をしていないけれど損失補填ができるならやるという病院の背中を押すこともできる。柔軟化くらい速やかに決めてほしい。強く要請しています。
補助金が切れる2月末以降の見通しを早く!
緊急事態宣言は2月7日までとなっていますが、コロナ禍が2月7日で収束するわけではありません。コロナ対応している医療関係者の方からすれば、もう少し、あと少しと踏ん張って1年が経過。これ以上は「頑張っている現場に頑張り続けてもらう」だけでは難しい。持続可能なコロナ対応が望まれています。
今回の1床あたり最大1950万円の補助金は、基本的に2月28日までに確保した病床数を基準に緊急支援として補助されるものですが、この後はどうなるのでしょうか?その後の財政の見通しがたたないことが、人材の新規雇用を難しくしています。
専門医や介護士・看護助手を新たに採用したり、民間の清掃業者などをいれるにしても、どのような経済的支援体制のもとで新年度を迎えることになるのか、という見通しが必要です。
年度が替わってもコロナ対応病院には十分な経済的支援が続くという確証があれば、新たに呼吸器内科や救急救命医師など必要な専門医の採用を検討することも現実的になるのではないでしょうか。介護士や看護助手を新規雇用したり、民間業者と新規契約して、患者さんの食事や入浴介助、配膳や下膳、シーツ交換や清掃業務など、それぞれ必要不可欠な作業の効率的な役割分担を進めることもできるのではないでしょうか。そのためには、そもそもコロナの1日1床当たりの入院単価をさらに引き上げるという検討も必要かもしれません。
こうした方策を先手先手で検討して、一般入院をコロナ入院に振替えるほど病院の経営が悪化していくという状態を速やかに改善してほしい。そのために、緊急的なコロナ対策を、持続可能で先が見通せるコロナ対策へと転換していくという視点が必要だと思います。