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「野党共闘」のまとまり圧力からの解放 選挙協力と政策提示の区別を

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「『バラバラ』批判と『まとまれ』圧力の強迫観念から卒業しよう。政策提示と選挙協力を区別し、まず各政党は政策提示という本来の役割を果たそう。選挙協力には予備選を導入し、野党候補者一本化プロセスを民意に解放して世代交代を進めるべきだ。」毎日プレミアに寄稿しました。

【要約版】
〇2012年の下野以降、野党は「バラバラ」批判を恐れるあまり、「まとまれ」圧力に身を投じ、魅力的な政策提示機能を十分に果たしてこなかった。政策でまとまるのではなく、まとまれる政策に甘んじることで、支持率を低下させてきた。選挙での生き残りのために、政策提示を怠っては本末転倒。選挙協力と政策提示を区別して、各政党は時代に応じた国家像と課題解決のための具体策を提示するという本来の役割を果たすべきだ。

〇立憲民主党と国民民主党の「合流」については、政策の基本的方向性が一致すれば是、一致しなければ非というのが一般の良識であり、永田町の色眼鏡は外して本質に立ち返るべきだ。この政策の基本的方向性として、玉木代表の提示する「経済の舵取り」と「憲法(constitution)=この国のかたち」の2つの要素を主軸に据える考え方は十分説得力がある。コロナ禍という逼迫した場面において、野党第一党と第二党の合流の是非を話し合うなら、その中核は、内輪の論理ではなく、国民生活を支え国家像を提示する政策論であってほしい。

〇「合流」如何に関わらず、民意と議席配分を近づけるための選挙協力は必要だ。この選挙協力を、議員の生き残りのためではなく、国民によりよい選択肢を供給するためのプロセスにするため、競合する選挙区では「予備選」を検討すべきだ。候補者選定の一部でも民意に解放し、党よりも人にフォーカスした実力勝負が可能となり、世代交代も進むだろう。

〇私自身の選挙区については、「選挙区については全くの白紙。党とよく協議した上、最終的には党の決定に従う」というのが裏も表もない入党時の約束であり、協議はこれからだ。一部「別の選挙区に国替えとなる方針」との報道もされたようだが、事実と異なる。決まっていないことをあたかも決まったかのように、メディアを利用して既成事実化し外堀を埋めていく手法は、旧い永田町的手法そのものなので、こうした政治文化についてははっきり「NO」と言いたい。その上で、選挙区については、党と真摯に話し合い、最善の結論を導びく努力をしたいと考えている。


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