2018年6月19日

小さな言葉に隠された大きな差別を見逃すな--同性パートナーを排除する相続法に反対--

20180619_131137_01.JPG

本日、衆議院本会議にて、民法改正法案(相続法制)について、反対討論(※反対理由の説明の子と)を行ないました。
事実婚や同性パートナーが排除されていること、政権の冷たさ・人権への鈍感さについて、問題を指摘しています。
是非ご一読ください。

動画はこちらです。


--------------------------------------------------------------------------------------

立憲民主党の山尾志桜里です。

 

まずは冒頭、昨日からの近畿地方における地震で、命を落とされた方々とご遺族に対し心からのお悔やみを、そして被害にあわれ厳しい状況に置かれている皆様に心よりのお見舞いを申し上げます。

 

本日は、立憲民主党・市民クラブを代表し、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案につき、反対の立場から討論します。

 

反対の理由は本質的な1点であります。

今回創設される特別寄与制度の対象から、事実婚や同性パートナーが排除されていること、そしてその判断が象徴する現政権の冷たさ、人権意識の致命的な鈍感さを容認できないからです。

 

高齢化が進む中で、一人ひとりが自分らしく人間関係を築き、互いに支えあいながら人生の終盤を彩っていくあり方は様々です。

しかし、今の相続制度では、そうした多様な支えあいの形を保障できず、不公平が生じています。

ですから、法律上の相続人以外の方が、献身的に介護や看病などの貢献をしたとき、それを評価して相続人への金銭請求を認め実質的公平を図る制度をつくろうという提案には、私たちは賛成です。

しかし、その趣旨は、いわゆる「長男の嫁」のみならず、むしろ、長年連れ添い実質的には相続人と同じ法的利益を受け取るべき立場にありながら、法律上の相続人になることのできない、事実婚や同性パートナーにこそ当てはまるのではありませんか。

にもかかわらず対象からあえて排除するのは、制度趣旨を捻じ曲げる不公正ではありませんか。

 

委員会質疑でその点を繰り返し正しましたが、政府の弁解は、ただひたすらに「事実婚や同性パートナーを含むと遺産分割が長期化・複雑化する」の一点ばりでした。

しかし、そもそもこの新制度は、形式的な不都合を実質的に解消するためのものですから、一定の長期化・複雑化が織り込まれています。

だからこそ、期間制限、すなわちこの制度が利用できるのは相続開始または相続人を知った時から6か月、相続開始したときから一年と、権利行使が限定されているのです。

長期化・複雑化対策には、この期間制限をすべての対象者に公平に運用することが王道であって、対象者を分断し社会的マイノリティを外すことで対応するのは、人権国家として致命的な過ちです。

 

そもそも、事実婚の当事者の中には、政府が「選択的夫婦別姓」から逃げ続けているがために、法律婚を望みつつ事実婚を選択しているカップルも大勢います。

同姓パートナーは、政府が同性婚を認めないがために、法律婚を望んでもできない状態におかれています。

選択的夫婦別姓やLGBT差別解消法、同性パートナーシップ制度あるいは同性婚は、「多様で差別のない社会」を選択する国家の標準装備です。

しかし、私たち野党の中の多くの政党が、こうした法案を提案しても、政府与党は審議や協力を拒否しています。

「法律婚」を望むカップルすら「法律婚」できない環境をあえて放置しながら、他方で提出してくる閣法では、「法律婚」でないという理由で排除するのは、無責任な差別と言われてもしかたないのではありませんか。

 

法制審のパブリックコメントでも、限定すべしとする立場は9、限定すべきでないとする立場は26、すなわち約3倍でした。

法制審そのものにおいても、終盤まで、親族に限定しない立場を基本として検討を進めるとされていました。

 

法務委員会では、野党推薦の参考人はもちろん、与党推薦の参考人すら、一学者としての見解においては、親族に限定しないことが望ましいという立場に立たれていたことが明らかになりました。

 

 

にもかかわらず、政府はなぜ、無理筋・真逆の結論を出したのでしょう。大変不可解です。

 

 

実は、この法案のきっかけは2013年の最高裁において、婚外子差別による民法相続格差を違憲とする判決にありました。

報道によれば、そのころの自民党部会において次のような声があがったとされています。「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」「国権の最高機関が、司法判断が出たからといってハイハイと従うわけにはいかない」。これほどまでに三権分立の本質を無視する発言が複数与党内からあがったとすれば、改めて驚きを禁じえません。

実際、法制審議会の第一回においても、法務省の事務方が、今回の相続法制見直しの理由について、先の最高裁判決を受け、法律婚の尊重を図るための措置を別途検討すべきとの指摘がなされたと言及しています。この指摘をしたのは誰なのでしょうか。

むしろ、この最高裁判決を受けた世論の中には、多様な家族の在り方を保障するための制度改正を加速すべしとの指摘が多数あったにもかかわらず、なぜそちらは無視されたのでしょうか。

 

つまるところ、この法案は、婚外子差別是正判決と法律への巻き返し策としてスタートし、その色合いを、今もなお残しているのではありませんか。

だから、あらゆる議論の場で、法律上の親族に限るべきでないという意見が優勢を占めても、最終最後、何の合理的説明もないままに親族要件が復活したのではありませんか。

また、法制審議会の委員においては、親族要件をつけるべしとの立場に明確に立った委員はたった一人であり、この委員はメディアにおいて安倍総理の側近であると自認し、総理を「人なつっこい兄貴分のような存在」と語っていることを付言します。

 

私たち立憲民主党は、この法案の賛否について最後まで判断を留保しておりました。

しかし、最終的に、法案の一部であれ、「多様で差別のない社会」という譲れない価値に本質的に反する法案には、反対の姿勢を明確にし、その理由を議事録にとどめることで、今の安倍政権には発信できないリベラルな価値の発信者となることを選択いたします。

少なくともこの社会の普遍的な価値である個人の尊厳を尊重するならば、個人の価値観の多様化がパートナーシップの形の多様化につながることを自然に受け止め、その多様なパートナーシップを包摂する社会へと進むべきです。

これに対して、今回の法案は、国家の側が考える個人やパートナーシップの形に当てはまらない人々を排除し、人格の本質的な対等性を傷つけるもので、容認できません。

 

法務委員会で、LGBT当事者である鈴木賢明治大学法学部教授が、参考人としてお話された言葉を紹介します。

「同性カップルを婚姻から排除することは、国が法律によって同性愛者を差別することに加担することにほかなりません。せめて相続法における特別寄与制度から排除しないという姿勢を示すことで、同性愛者に対する法による差別をやめる方向へと転換すべきことを強く求めたいと存じます。法律の小さな文言ですけれども、それが日本を変える力になります」

 

私たちは、「親族」という本法案の小さい文言が、差別に加担し固定化する見えない力となることに反対いたします。

自民党・公明党の中にも、「多様性を認める社会」を標榜する方がおられます。本当にその価値を信じているなら、たまには、国会議員の本分たる採決で示していただきたい。

そして、無所属の議員も含めて野党の議員の皆さんには、心からお願いします。

国会議員が採決で示すことのできる価値観は、たとえ今は法律が通ったとしても、これからの社会を変える力なのです。

人は、誰しもどこかを切り取れば少数者です。小さい文言による大きな差別を見逃さずに毅然と行動していただきたい。

私たち立憲民主党は、「立憲」の言葉を「民主」の上におき、多数決でも侵すことのできない少数者の権利と価値を全力で守ることを約束し、反対の討論といたします。

2018年3月 9日

届けられなかった「#保育園入りたい」の声

 国会に提出された森友文書の「改ざん」疑惑。

 この事実関係の解明は、今後のあらゆる国会審議の土台の回復に必要不可欠です。

 国会で質問にたつとき

 「役所が出してきた書類は改ざんされていないか。」

 「この大臣は改ざんされた書類をもとに答弁しているのではないか。」

 こんな疑惑を抱えたままでは、まともな国会質疑など不可能。

 だからこそ、財務省のゼロ回答のままでは、国会審議に応じられない。

 ということで、今日(3月9日)の本会議は欠席となりました。


 一方、今日の法案は「子ども・子育て支援法改正案」。

 政府与党が「改ざん」疑惑解明のためになすべきことをなせば、しっかりと本会議に出席し、私は代表質問に立つ予定でした。

 今国会スタートしたときから、たくさんの保護者・保育士・研究者の皆さんと話し合い、今届けるべき声と政策を凝縮して訴えるつもりでしたが、残念です。


 森友問題から逃げまくる政府与党の責任で、

 本会議場で届けられなかった

 「保育園入りたい」の声

 そしてその声を「保育園入れた!」に変える政策を

 ブログでお伝えし

 今後委員会などを通じて、120%努力していきます。


 以下、読むことができなかった「代表質問」をアップします。


---------------------------------------------------------------------------------------------


 立憲民主党の山尾志桜里です。


 子どもたちのため、子どもを持つ親たちの思いにこたえるため、立憲民主党・市民クラブを代表して、「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案」について質問します。


 2016年2月29日、「保育園落ちた」のブログをきっかけに待機児童問題が政治課題の中心に浮上し、いまもなお中心にあり続けています。

 待機児童を増やしたまま、幕引きしないでほしい。

 この2年間の、当事者のひたむきな活動があってこそです。

 「保育園落ちたの私と私の仲間だ」との27,682名署名、さらに前向きなメッセージを伝えたいと、「#保育園に入りたい」「保育園!私たち声を上げます!」「パワーママプロジェクト」「私たちの保活ストーリー」など活動は広がっています。

 人生で最初に受け取る手紙が「保育園の不承諾通知」、そんな社会を変えようとがんばる当事者の声に耳を傾け、よりよい法案にするため質問・提案いたします。


<協議会を規制緩和の隠れ蓑に使ってはいけない>

 そもそも、今回の改正案は、「規制改革推進会議」の答申に基づいて作られました。なぜ待機児童解消の議論の場が「規制改革推進会議」なのでしょうか。なぜ、子どもの命と育ちの問題が、電波規制改革や林業規制改革との3点セットで議論されるのでしょうか。

 安倍政権は、待機児童問題を規制緩和の応急措置でごまかそうとしていませんか。

 具体的に申し上げます。

 改正案の附則14条4項には、都道府県が市区町村と協議会を組織できるとされています。この協議会が、保育に関する市区町村独自の上乗せ基準を、都道府県単位の平準化という名目で、国基準まで引き下げさせる会議体として利用されることを強く懸念します。

 この懸念をもたらす2つの明確な根拠を申し上げます。

 第一に、この答申に書いてあります。

 「上乗せ基準の設定が待機児童の偏在化を助長することのないよう、上乗せ基準を検証する」との記載です。

 待機児童を助長してきたのは、見て見ぬふりで予算をつけずにきた国の責任であって、子どもの命のために上乗せ基準を設定してきた自治体ではありません。

 責任転嫁はやめていただきたいと思います。

 第二に、安倍政権は国基準への引き下げの規制緩和をすでに、直接市区町村に要請し、そして失敗しています。2016年4月からの要請に対し、「幸い」、あまりにも無責任なこの要請に応じた市区町村は現在に至るまでゼロと聞いております。直接要請して失敗した規制緩和を、東京都を含めた都道府県をかませることで巻き返しを図る法案であればその後押しはできません。

 毎年保育死亡事故は少なくとも10数件起きており、2016年には13人の命が失われています。人員配置や面積基準を緩和することで、なくなる命があるのです。だからこそ、それぞれの自治体は、市民や議会や首長が、待機児童に悩みながらも、子どものための基準をつくり、持ち出しの予算を負担しながら努力しているのです。国の要請に応じて基準を下げ、万が一保育事故が起きても、「国は要請しただけで強制したわけではない」。こんな弁解がまかりとおる「要請」という名の規制緩和はやめていただきたい。

 そこで松山大臣に質問です。

 この協議会において、市区町村の上乗せ基準を国基準まで引き下げさせる取り組みをする可能性はあるのか、ないのか、明確にお答えください。

 また、すでに全都道府県において設置すみの「地方版子ども・子育て会議」を通じて市区町村との連携は十分可能であるにもかかわらず、規制緩和の隠れ蓑以外に、重複して同じような会議体を作る必要があるのならその理由をお答えください。

 そして、なにより、規制緩和で、面積基準がさがり、人員配置基準がさがれば、保育士1人あたりの負担はますます増え、そのことが保育士離職を加速化する懸念について、どう払拭するつもりですか。お答えください。


<32万人の受け皿追加では待機児童は解消できない>

 つぎに、待機児童解消のための目標設定の誤りを指摘したいと思います。

 安倍政権は昨年、2017年度末までに待機児童ゼロと自ら掲げた目標を断念し、現在では期限を3年先送り、2020年度末までに32万人の受け皿を作って待機児童ゼロを目標にしています。

 待機児童解消を掲げながら、現実には3年間待機児童数を増やし続け昨年には26081人と最高値を更新してしまった責任を真摯に受け止めるのであれば、「32万の受け皿では足りません」という当事者・研究者の声に耳を傾けるべきです。

 政府試算は、未就学児童数に利用申込率をかけてニーズを導きだしています。したがって、「申し込んでも確実に落ちるので最初から申し込まない人々」は完全に除外されています。

 2017年の野村総研の調査では「保育所の利用希望がかなわなかった」家庭の約4割は「そもそも申込みを行わなかった」家庭です。さらに、その理由の4割が「どうせ無理だろうと諦めた」家庭です。「ポイントを計算してみたら、フリーランスの自分では絶望的だった」「保育課に聞いてみたら、あ、それは無理ですねと言われた」私たちが聞いている当事者の声です。

 政府の「規制改革推進会議」の座長代理すら「なかなか当たらないから、最初から申し込まない人が非常に多い」と発言しています。

 一定の要件を満たさない家庭には保育園に入れるチャンスはほぼゼロ、こういう客観状況を政府自らがつくっておきながら、「チャンスがゼロでも申し込め」というに等しい試算でニーズを小さく見せるのは無責任です。

 また、加藤厚労大臣自ら「市区町村において、申込にまで至らないようなケースも含めた保護者の意向を丁寧に確認してほしい」と答弁しているではありませんか。市区町村には申込まで至らない潜在ニーズを把握しろといい、国のプランでは排除する。あまりにご都合主義で、筋がとおりません。

 未就学児童の数570万人。育児をしている女性の予想就業率73%。共働きの場合でも保育サービスを希望しない割合は9%。こういった数字を使い現実に即したニーズを試算すれば88万人分必要との調査もあります。

 加藤大臣にうかがいます。改めて、32万人という政府試算を見直すつもりがあるのかどうか、見直さないのであればなぜなのか、説得的に説明してください。


<「無償化」より「全入化」が先!>

 さらに、32万の受け皿づくりでは待機児童ゼロにならない新たなファクターを安倍政権自らが作り出しています。待機児童問題を悪化させながら、今度は無償化にお金を使うという、順番を誤った政策判断です。 

 この点に関連して、質問します。

 現在の待機児童ゼロプランは、教育無償を打ち出す前に試算したものです。しかし、加藤厚労大臣は「無償化しても待機児童への影響はそう大きくない。影響を加味してプランを見直す考えはない」と答弁しています。

 加藤大臣にうかがいます。

 無償化したときの待機児童数の変化は試算したのですか。

 試算したのであれば、その結果をお答えください。

 していないのであれば、していないのになぜ「影響はそう大きくない」と断言できるのか根拠をお答えください。


 無償になればニーズは増えます。

 ニーズが増えれば、待機児童は増えます。

 そして、その影響を無視すれば、待機児童問題はさらに悪化します。

 なぜ、社会の常識が安倍政権には通じないのでしょうか。


 大阪府守口市では2017年4月から未就学児全員を対象とする保育無償をはじめました。17年4月の待機児童は前年と比べて約2.8倍です。兵庫県明石市も第2子以降の保育無償をはじめました。17年4月の待機児童は前年とくらべて約倍増です。地域の真摯な取り組みから、学ぶべきを学んでください。

 そして、一部のメディアでは、無償化の財源負担につき、「私立は国、都道府県、市町村で2対2対1、公立は市町村全額が軸」との報道がありました。

 負担が増えるのであれば、当然各自治体は待機児童解消分の予定財源を無償化負担に回さざるをえなくなります。無償化が待機児童解消の妨げになるのです。自治体負担増を否定せずに、待機児童数への影響だけ否定するのは無責任です。

 松山大臣、無償化の財源につき、市区町村の負担が増える可能性が現時点であるのか、ないのか、お答えください。


 また、多くの親たちが求めているのは、保育の質を守り、預け先を確保することです。いまも「無償化より全入化」「子どもたちのために間違いを正す公約違反なら大歓迎」という声がたくさん届けられています。そこで、教育無償の範囲を議論する会議体などを利用して、総理が公約した無償化期限の見直し・先送りも議論したらどうでしょう。誤りは率直に認め、メンツよりも子どもを大事にする姿勢は、評価されこそすれ、非難はされないと思います。お考えをうかがいます。



<月額10万4000円の給与ギャップ>

 あらためて、待機児童問題解決の王道は保育士処遇の改善です。

 2月28日に発表された賃金構造基本統計調査によれば、保育士処遇と全産業平均との差はなお10万4000円も開いています。

 この差額をせめて半減しようと保育士給与を一律月額5万円あげるためにかかる予算は年間で約2510億です。

 月額5万円の安定一律増額をきちんと保障する政策を打ち出せば、80万人を超える資格をもった潜在保育士の方々が保育の現場に戻ってくる、親になった保育士さんも家計を維持しながら保育士を続けられる。

 この抜本的な取り組みなしに、待機児童解消は実現できません。


 加藤大臣におたずねします。

 現在行われている処遇改善策は、対象保育士に「キャリアアップ研修」の受講を求めています。そもそもこの研修科目として定められた8科目を全科目実施できている自治体はいくつあるのですか。

 保育士不足を放置したまま、研修を求めても、代替の保育士がいないので研修に行けない状況が生まれていませんか。

 また7年以上のキャリアを持つ保育士を給与アップの対象にしても、そもそも給与が低くて7年間保育士を続けられないという現実が見えていますか。

 当初からこのことを指摘してきましたが、最近若手の保育士にも分配できる方針が打ち出されたと側聞します。いかなる方針なのでしょうか。全体のパイを広げずに対象だけ拡大することで、本当に効果があがるのですか。



<「待機学童」にも目をむけよう>

 最後に、いわゆる「待機学童」問題について質問いたします。

 子どもの成長は早く、子育て家庭の悩みは子どもの成長とともに変化します。

 子どもが小学生になったとき、働く親を直撃するのは、放課後や夏休み中の子どもの居場所の問題です。

 放課後児童クラブを希望しながら利用できなかった待機学童数は、厚労省の資料によれば2017年5月現在で17170人と計算されています。

 子どもが就学前であっても、小学生になっても、「安心できる安全な預け先を願う」親の思いは変わりません。

 にもかかわらず、安倍政権は、この「待機学童」問題でもなお、規制緩和での解決に依存しようとしています。「地方分権の議論の場」という器を利用し、2015年にようやく策定された指導員の「資格」と「配置」に関する「従うべき基準」を、2018年度中にも「参酌すればよい基準」へと緩めることを検討しています。

 お尋ねします。安易な規制緩和、とりわけ子どもと接する専門的職業の要件緩和には慎重であるべきです。この議論の場に保護者当事者を代表できる委員は入っているのでしょうか。「参酌化」とは何を意味するのでしょうか。なぜ、決めたばかりの基準について、現場の変化や課題を十分検証する期間すらあけず3年後にも緩和することを急ぐのでしょうか。

 

 そろそろ、子育て政策における場当たり的な規制緩和は、課題解決をより困難にするという現実に気づいて、方針を転換するときです。


<さいごに>

 子どもを持つ親の声を聴いてください。

 子どもを預かる現場の声を聴いてください。

 当事者の皆さんが議員会館などで開くいくつもの素晴らしい集会に与党の皆さんもぜひいらしてください。

 必要な子育て政策を実現するためなら、野党の私たちも協力を惜しみません。

 私たち立憲民主党は、これからも、当事者とつながり、子育て政策を建設的にリードしていくことを約束して、私の代表質問を終わります。

2017年12月 7日

諸外国の経験に学ぶ立憲的改憲・国民投票制度


 先週の憲法審査会は1時間30分とそもそも短い時間のなか、私を含めて発言を申し出た複数の委員の発言の機会が保障されず、一方、他の委員の発言に対する弁解・反論のために自民党中谷委員には発言を許可するなど、必ずしも十全に公正とはいいがたい采配が行われたように感じています。
 憲法審査会長は、自民党の方ですが、だからこそより公正な委員会運営を望みます。
 今日の憲法審査会で自由討議の機会があれば発言しようと思っていたのですが、閉会中審査という手続きで終わってしまいましたので、ここに原稿をアップします。

----------------------------------------------------------------

 立憲民主党・市民クラブの山尾志桜里です。
 衆議院欧州各国憲法および国民投票制度調査議員団の視察報告を受け、3点申し上げます。

○1点目は「憲法改正は憲法典改正にあらず」のということの確認です。
 今回の最初の視察先イギリスは、いわゆる「憲法典」のない不文憲法の国です。
 不文憲法の国における憲法改正とは何か、デイビース下院行政憲法委員会担当部長が端的に述べています。「憲法典があるわけではないが、憲法(憲法的事項)を変更するときは、議会制定法で行うということだ」
 つまり、憲法改正の議論は「憲法典改正」にあらず、関連法令も含めた広く深い議論をすべきだということが導かれます。憲法の文字を守るか変えるかではなく、憲法の価値をいかに守り強化すべきかという観点で議論すべきです。
 この点、関連法令も含めた実質的意味の憲法改正をイメージする参考例として、フランスの2008年憲法改正があげられます。
 サルコジ大統領の下、バラデュール元首相を委員長とする検討委員会では、「執行権の統制」「議会の強化」「市民のための新たな諸権利」という3部構成で、関連する法制度全体を視野に入れた議論を展開し、77の具体的提案を報告書として提示しました。
 たとえば「執行権の統制」においては大統領の三選禁止が導入され、「議会の強化」においては質疑時間配分における野党の権利の拡大が実現しています。
 これらは、日本の課題とも重なるもので、実質的意味の憲法事項として、本来憲法議論の俎上にあがっても不自然ではありません。それだけ憲法改正議論というのは広く深い議論であって、期限を切って、安易に単発のテーマで終わらせる類のものではないということです。
 
○2点目は自衛権の統制についてです。
 安倍総理は、まさに「2020年施行」と期限を切って、「9条1項2項をそのままに、自衛隊を書き込むだけ」という安易な単発の提案をされています。
 しかし、この安倍改憲提案は、国際的にはどのように受け止められるかベン下院EU離脱委員会委員長が教えてくれました。ベン委員長は視察団に対し「防衛だけではなく、攻撃もできるようになるということか」と疑問を投げかけたのです。
 「自衛隊を書き込むだけで権限や任務は変わらない」といくら安倍総理が答弁しても、国際社会の受け止めは違います。この点、日本の制度を知らないから受け止めが間違っているのだ、ということでは済まされません。実際に、9条2項の「戦力」とは別物としての「自衛隊」が憲法上に抜き身で書き込まれた瞬間、戦力不保持の枠外に表出した「歯止めなき自衛隊」に憲法が太鼓判を押すことになりかねない。ベン委員長の感覚は正しいのです。
 立憲主義を貫徹し、その価値を強化するための「立憲的改憲論」で、むしろ自衛権を含む国家権力を統制し、国民の人権を保障するための憲法議論をすべきです。
とりわけ国家権力が最も先鋭化する自衛権については、権力主導で肥大化させるのではなく、逆に国民の側から統制する議論が不可欠です。立てるべき問いは、「自衛隊を書き込むか否か」ではなく「自衛権をいかに統制するか」です。
 この点、現行憲法で国民意思による自衛権統制が十全になされていれば変える必要はないでしょう。しかし、憲法解釈を覆す安倍総理のもとで、現行憲法9条は、安保法制の成立を止められなかったという事実を直視すべきだと思います。
 権力を抑制する方向で積み上げてきた解釈の鎖を壊す自由な権力者が表れた以上、明文で鎖を巻きなおす必要があるのではないでしょうか。
 そこで、明文上、自衛権に「個別的自衛権」という範囲の歯止めをかけることを検討すべきです。
 国際法上の許容範囲と、わが国独自の主権的判断による自衛権の範囲が必ずしも重なる必要はありません。
 国民意思による主権的判断として、わが国の自衛権は個別的自衛権に限ると国内法の最高法規で宣言することが当然に考えられるはずです。
 その際の自衛権と9条2項「戦力」「交戦権」との関係をどのように整理するかはいくつかの手法が考えられるでしょう。
 さらに、自衛権の統制については、国会・内閣・司法さらには財政面からなどのコントロールを検討すべきで、9条のみならず憲法全体を見通した深い議論が必須です。

○最後に3点目として国民投票について付言します。
 中谷議員が「自衛隊を明記する憲法改正実現のためのアドバイス」を求めた際、キャメロン元首相は「『強い日本は、安全な日本だ』と思わせることができれば、9条改正を実現できるかもしれない」と発言されています。(105P)
 この発言の前後においては、繰り返し「国民投票のプロセスは公平・公正なものでなければならない」とおっしゃっていた中で、国民投票を提起したリーダーの本音が垣間見えたように感じました。
 ここから学ぶべきは、一国のリーダーが国民投票という手段を用いて自らの提案に国民支持を得ようとするとき、「質問文の文言」含めて国民感情に訴えるための様々な手法を試みる誘惑にかられるということです。
 わが国の国民投票法は、その誘惑から独立・公正なプロセスを守りきる仕組みになっているでしょうか。
 「国民投票のルール改善を考え求める会」など国民の側からの議論提起に私たちはもう一度真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか。
 たとえば、国民感情に直接ゆさぶりをかけるCM規制について、賛否を呼びかけない意見表明が抜け道になっていないでしょうか。
 国民投票運動に資金提供をする際の登録義務付けや上限規制をかけることを再考すべきではないでしょうか。
 政党の無料意見広告についても、良識に委ねるだけで本当によいのか検討すべきではないでしょうか。
 今回、せっかく予算をかけて視察に行かれ、国民投票の経験をふまえた各国の有識者から繰り返し公正なプロセスの重要性のアドバイスを受けたのですから、ぜひ、こういった議論を真摯にこの場で展開すべきだと思います。

2017年11月 1日

特別国会初日のご報告

この度の衆議院選挙で、3期目の当選を果たすことができました。
そして、今日、特別国会の初日を迎え本会議に出席してきました。

無所属で当選した直後の特別国会ですので一呼吸おきつつ、しかし国会議員の本分である政策立案や国会質問という活動の場を同じ志の仲間や先輩とともにするため、「立憲民主党・市民クラブ」という会派に所属させていただくこととしました。

選挙戦でお約束した政治姿勢は
「安倍政権に立ち向かい、安倍総理の一本道に子どもたちを並ばせない」。
そして、取り組む政策の3本柱は
1. 待機児童問題をはじめとする子育て支援・女性政策をリードする
2. 国家権力を縛り国民の人権を保障するための立憲的改憲提案で、安倍改憲を阻止する
3. 皇位継承のための女性宮家、女性・女系天皇の議論を活発化させる

私は、政治家人生を全うすることに興味はありません。
今回の選挙における上記の約束を実現するために、3期目の仕事を全うすることに全力を尽くします。

                       衆議院議員  山尾志桜里

2017年6月 7日

【動画】6/7法務委員会 性犯罪厳罰化(刑法改正)について質問

魂の殺人と呼ばれる性犯罪。ようやく審議。精一杯、当事者の声を議事録にとどめるべく、質問に立ちました。


2017年5月25日

【動画】5/25 憲法審査会 安倍首相の憲法に関する発言の一貫性のなさを批判

憲法審査会にて、総理の軽薄な言葉で憲法の本質的価値を削らないで欲しい、そんな思いを込めて意見表明しました。

2017年5月19日

【動画】5/19 法務委員会 共謀罪について質問

共謀罪、立法事実から「テロ対策 」が消えた!そして、許されない強行採決
 

【動画】5/18 金田法務大臣不信任決議案の趣旨説明

金田法務大臣不信任決議案の趣旨説明

【動画】5/12  共謀罪について法務委員会で質問

一般人は捜査の対象?調査の対象?議論するほど論点は増えるばかり。


2017年4月29日

【動画】共謀罪廃案を訴える街頭演説

皆さんのメール、LINE、Twitter、Facebookが監視されるようになってしまいます。
昨日有楽町で枝野本部長、海江田元代表、松尾東京2区総支部長と共に、共謀罪廃案を訴える街頭演説をしました。